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2020.10.01 制度・イベント

CS課題をテクノロジーで解決!CREの取り組みとは?~Customer Support Tech Meetup #2登壇レポート~

先日、株式会社ミクシィ(以下ミクシィ)CREチーム主催の「Customer Support Tech Meetup #2」が開催されました。第1回に引き続き、カラクリでR&DチームのTech Leadを務める吉田がゲストスピーカーとして登壇しました。

最近耳にする機会が少しずつ増えてきましたが、「CRE」は、ユーザーに寄り添いながら技術でカスタマーサポート(以下、CS)課題を解決するエンジニアロールです。
まだCREが在籍する国内企業は少ないため、成功事例などが共有される機会があまりありません。どそこでCustomer Support Tech Meetup では「CREがどのようにしてCS課題を解決しているのか?」その最新情報を事例とともにご紹介し、少しででもカスタマーサポートの方のお役に立てればと考えています。

登壇内容はこちら。

今回はミクシィCREの事例に加え、ミクシィ健全化チームから、エンジニアでないCSメンバーが不正対策に技術を活用している事例をお話いただきました。

ゲストスピーカーとして登壇した吉田は、チャットボットに寄せられたVoCをリアルタイムで検出できる「トレンドアラート」について発表しました。その内容を一部ご紹介します。

 

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カスタマーの96%は問い合わせをしない!?

こちらの図にあるように、コールセンターに問い合わせをするお客様は全体の4%と言われています。つまりほとんどの人が問い合わせをせずに、離脱していることになります。

この事象とチャットボットに何が関係あるのか?チャットボットの価値について考えた時に、「即時対応でユーザー体験の向上を図る」、「有人問い合わせ業務の削減」はイメージがしやすいかと思います。それに加えて、とても大切なものがもう1つあります。96%の声を拾うのに有効的なのがチャットボットです。チャットボットは人に聞くまでもないけど知りたいことや、わざわざ問い合わせから要望をあげるほどではないけど、こんな機能があったらいいななど、多様なVoCが集まります。
それが3つ目のチャットボットの価値、「VoCを集めることができる」です。

VoCのトレンドを検知!

VoCをいかに分かりやすく可視化するかが、VoC分析のポイントとなります。そこで今、私たちが注目しているのが、トレンドです。
VoCにもトレンドがあります。Twitterなどのトレンドワードを想像してもらえるとわかりやすいと思うのですが、VoCにも「多くつぶやかれる瞬間」があるんです。例えば「ログイン」という言葉を含むという問い合わせを1時間ごと数えてプロットしてみました。

「ログイン」という言葉での問い合わせが急増しているところがあり、あきらかに何かが起きていることが分かります。障害が起きているかもしれないことを察知できるため、これだけの情報ですぐに障害の復旧に取り組むことができます。
このようにあらゆるワードの急増を検知することで防げることやサービスの向上を図れることがあります。これが「トレンドアラート」というシステムです。それをチャットボットの裏で動かすということを今年の3月ぐらいからやってきました。

最初は数個のボットの裏で動かしていたのですが、社内外から要望をいただいて、多数のボットの裏で動かすようになりました。半年ぐらいやってみて、どのような有用性があるのかが見えてきましたので、「トレンドアラート」の有用性について4つお伝えします。

VoC+トレンド検知=次世代のカスタマーサポート

1つ目は、想定外の異常を検知することです。例えば「ログインできません」や「決裁が完了しません」など、インフラの障害を検知することができます。ただ、インフラの障害だとサーバー側で検知するシステムがあったりするので、それで分かったりもしますよね。もちろんそれだけではなく、第三者起因の問題も検知することができます。例えば、なりすましのユーザーが、変なメールを送ったりしたときに、システム側ではわからないですが、チャットボットに問い合わせが増えることで検知することができます。他にも社会情勢の変化なども検知することができます。コロナ禍でリモートワークが増えたことで、今まで売れてなかったものが売れ出す。そんなときにはその商品についての問い合わせが増えるので、そういった社会情勢の変化も検知し、発注などに活かすこともできます。これが想定外の異常の検知です。

2つ目は、ダウンタイムの最小化です。

ユーザーが困った瞬間に対応を開始することができるようになります。これも実際にあった例なんですが、従来の障害検知フローでは14時に検知していた障害が、トレンドアラートにより9時に検知することができたという例がありました。トレンドアラートにより5時間も対応までの時間を短縮することができました。

3つ目は、反響をもとに的確なUXを向上することができます。

例えばアプリユーザーに案内を通知したときに、すぐにアプリを使っているユーザーから「先ほどのお知らせについてですが・・・」というように反響があります。それがすぐにわかるために、案内内容もタイムリーに変更することができます。そうすることでUX向上に繋がります。

最後に社内コミュニケーションの活性化です。

トレンドを検知した通知は、Slackのチャンネルに飛ばすことが多いのですが、そのSlackチャンネルに、インフラ障害やキャンペーン反響、サービス改善要望、規約違反行為などあらゆるVoCが集まってきます。そうすると必然的に複数の部署の人がこのチャンネルを見るようになります。そうするとカスタマーサポートの部署やVoCにいろんな人が興味を持つようになり、社内でのCS部署の存在感もどんどんあがっていくと思います。

ひと言でまとめると、「VoC+トレンド検知=次世代のカスタマーサポート」が実現できるのではないかと考えています。

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以上が、吉田の発表内容となります!いかがだったでしょうか?少しでもお役に立てる情報をご提供できていたら嬉しいです。
今回のイベントの登壇資料や動画はこちらからご覧いただけるので、もっと詳しく知りたいという方はぜひご覧ください。

▼登壇資料
https://speakerdeck.com/yos1up/cstm2-trend-alert

▼YouTube配信
https://www.youtube.com/watch?v=T78ArR9LUCc&feature=youtu.be&t=2362

最後に少しだけ宣伝させてください(笑)
吉田をはじめ、カラクリのデータサイエンティストは、youtubeでもCSをTechしています。CSに活用できる技術やAIを分かりやすく解説しているので、ご興味のある方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

▼CS Tech チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCaSZYsKHu2Uy08djUgmfwYw

▼オンラインAI大学
https://www.youtube.com/channel/UCCrYP-lgen_p_8fmP4O6wHQ

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